図書館で表紙が見える展示がしてあり、葉っぱ一枚一枚まで丁寧に描いてある精密な絵に惹かれて、手に取りました。
このお話は、一口に言うと、絵本でしか出来ない作品です。
本文の中に、有名なお話を暗示させるエピソードがいろいろ出てきますし、絵の中にもそのお話を連想させる小道具があちらこちらに隠れています。
また、あるページでは、大盤振るまいと思えるくらいたくさんの隠し絵があり、グリム童話のいろいろなお話のキーワードが隠れています。
娘と私で夢中になって、絵の中を探しましたが、まだ探し出せないものがいくつかあるように思えます。
本文の内容も、ちょっと物悲しい雰囲気から始まり、途中にはサスペンスタッチの場面も出てきて、お話としてもドキドキさせられます。
クライマックスでは、隠し絵に気をとられていると、ものの見事に足を掬われます。
時間をかけて何度でも楽しめる作品です。