絵を描くことが大好きで、一見ふつうの子供トリシャ。
本を読むことを楽しみに成長しますが、文字や数字がどうしても
読めないのです。
他人にはわかってもらえず「私は頭が悪い」と悩み苦しみます。
5年生になり出会ったフォルカー先生はトリシャと正面から向き合い・・。
なかなか理解されにくいLDというテーマをとてもよく表現しているのは、
作者自身が経験しているからこそでしょう。
フォルカー先生の温かい見守りが胸をうちました。
息子に読み聞かせを始めると「トリシャってホントに頭が悪いんじゃない?」と
軽い気持ちで言っていました。
だまって私が読み進めると、後半にはだまって真剣に聞き入り、
「いい先生だね。」と。
そして最後にこの本の作者の本当の話だと知ると
「すごい!いろんな人がいるんだね。よかったよね・・」
私自身、息子にはちょっと難しかったかなと思っていたのですが、
LDという言葉を知らなくても受け取るものは十分大きかったようです。
折りしも、学校でのいじめなどの問題が大きく取り上げられている時期。
フォルカー先生のような大人に、一人でも多くの子供がめぐり会えたらと願います。