アメリカの人種差別の絵本です。
なんでもできる素晴らしい手を持つ『おじいちゃん』の手!でも、その手で、仕事先のパン工場のパンをこねることはできず、会社から与えられる仕事は掃除や物を運ぶ仕事だけ。
アメリカ社会での当時のアフリカ系移民の人たちの仕事は、多かれ少なかれ同じような待遇だったようです。
今はそんな不当な差別は行われていない(はず)ですが、おじいちゃんが孫にいろいろなことを教えたり、遊んでやったりする中で、
その『手』のことを改めて思う。というお話でした。
後半が孫目線になって、時代が違うのだということがとてもはっきり伝わってきて、よかったです。
絵はフロイド・クーパーという人が描いているのですが、はっきりした色合いなのに、どこか褪せたアルバム写真のようにぼやけて見える不思議な手法を使っています。
これは“油絵の具で描いた絵を練りけしで消す”という、独特の技法だそうです。すごいですね〜。見ごたえのある絵でした。