タイトルや表紙絵の雰囲気からアメリカの作品かなと思いました。
そしたら、なんとはた先生の絵です。
中をパラパラと捲って見たら、1960年代の色数を抑えたアメリカ作品のような雰囲気のある絵本。
さらに主人公二人のメモともつかない手紙がコラージュ仕立てになっていて、とってもお洒落です。
リチャードとジャネットの喧嘩の原因は、何だったのかしら?と文に気をとられ、まず読みました。
なんかわたしにも覚えがあったような。
原因は、男の子と女の子の一線を冷たく引くリチャードの宣言のようです。
「野球の試合に、女は入れない」って。
この年頃は、女の子の方が少々体も大きく、へなちょこ男子より上手い子もいるんですよね。
これまで何でも一緒、特別な友だち、一番好きな物まであげていた相手だったのに。
信頼していただけに怒りもなかなか収まりそうも無い様子の往復書簡に、「あら、まぁ〜〜〜」、でした。
特に両者の本文で言い足りなかった憎憎しげな追伸文が、読者としてはクスッとしてしまいます。
ま〜この手紙のやり取りの多さからいって、お互い怒りながらもお互いの事が頭から離れないんだなって、解ります。
この喧嘩の期間、二人は互いのことをいつもより想いあっていたんでしょうね。
終盤の和解に向けてのリチャードのアプローチもジャネットの応対も大人顔負けです。
こうして女の子は女性に、男の子は男性に成っていくんでしょうねぇ。
二度目は絵をゆっくり眺めながら読みました。
絵の中に、両者の微妙な心の動きが描かれていてもう一度楽しめました。
ん〜〜〜、これは高学年以上向けかな?