このところ堀内誠一さんの絵本につて調べています。
デビュー作は『くろうまブランキー』ということになっていますが、『くろうまブランキー』の前に着手していたのが、グリムの『七わのからす』ということでした。
文は、堀内さんが浦和の師匠と呼んでいた瀬田貞二さん。瀬田さんと言えばホフマンの『七わのカラス』も訳されていますよね。
この作品は、こどものともの復刻版として出ているので図書館などで見ることができます。
堀内さんの周りにいた方のインタビューなどを読んでいると、とても仕事の早い方だったそうですが、この作品はご自身がオクラにしたものを、「こどものとも」に穴があくことになり、急遽出版されたのだとか。
カラスに変えられた七わのからすを探す妹の表情は小さいながらも意志が強そうです。
堀内さんの作品というと私はピンクの印象が強いのですが、この作品にもピンクが効果的に使われている場面があります。
いずれ絵本の仕事もするつもりでおられたそうなのですが、20代の堀内さんがどんな風にこの作品に取り組まれていたかという背景を知りつつ読むとまた味わいが違ってくる気がしました。
堀内さんには『くろうまブランキー』と共にもう一つのデビュー作『七わのからす』があるなんて。
ぜひ、二作品を比べて初期の堀内作品を楽しんでみたいと思いました。