息子が小学生の頃、アニメの影響で意味もよく分からないのに「すいへーりーべー…」と歌っていました。書店で『元素図鑑』を見つけたものの、きれいやなーと写真をただながめているだけでした。
ところが、中学生になり理科の時間に周期表の法則や並んでいる形の意味を習うと、感動した! と言うのです。
何気なく放り込んであった記憶が新しい知識と結びついた。それが、“わかった!”という快感となって頭の中を駆け巡ったのでしょう。
生まれたときから文系の私でも、本書5ページの「あなたは炭素系生命体の一種」「あなたの体重の5分の3は酸素です」という文章を読んでしまったら、元素が気になってしかたがなくなります。
そんなふうに生まれた好奇心を、この本は惜しげもなく満たしてくれます。