なんとも常識や通説を逆手に取った作品です。
とても醜い男、シュレックが主人公。シュレックは醜いことを全然恥じていないし、むしろ自分のあまりの醜さに花が倒れ、人々が逃げていっても、それを楽しんでさえいる様子です。乱暴者ではないし、心優しい者というわけでもありません。ただ、自分の境遇に充分満足していて、等身大に生きているだけ。そして、目指すのは、シュレックよりさらに醜い王女のところ。
あまりに普通の物語とは逆の設定に、娘は「あららら〜」と驚きあきれ(ながらも笑っていましたが)、読み終わった直後の感想は「呆然!」の一言でした。
私も何年か前に読んだ時は、なんとなく行間から嗅ぎたくない嫌な臭いが漂ってくるような気がして、拒否反応を起こしましたが、今回読み直してみると、常識をひっくり返しているその見事さに、清々しささえ感じてしまいました。
でも、面白いけれど、やっぱり美しいお話の方が心惹かれてしまうかなぁ?