読み終わったあと、しばらく沈黙。
うさぎは一体どこへ…。
ギョロっとした目が特徴的な、不気味で可愛いくまと動物たち。
そのやり取りが、長谷川義史さんの関西弁によりテンポよく展開します。
ジョン・クラッセンさんのトークイベントに参加し、ますますこの絵本の虜に。ページをめくるたびに、細かいこだわりやストーリーが見え隠れします。
くまは帽子を探しているうちに、「ぼうしって、なんや?」なんて言う、帽子という物の存在を知らないおかしな動物が生息している遠い場所まで来てしまったとか。ジョンさんが大好きなシカが、くまに帽子の在処のヒントを与えているとか。原作『I WANT MY HAT BACK』では、それぞれの動物の体の色と台詞を同じ色にして、誰の台詞かわかりやすいように色分けしているとか。
注目すべきは、最後のページに描かれたくまと動物たち。
まず思うことは「あっ、くまが赤い帽子をかぶってる。よかった帽子取り返せたんだ。」
そして「あれ、うさぎもいる!よかった、くまに食べられていなかったんだ!」という安堵感。
でもそのうさぎ、実は、ジョンさんが間違えて描いてしまったそうですよ。
本当は、最後のページにうさぎは登場するはずじゃなかったとか。
つまり、やっぱりうさぎは…。