クリスマス・ツリーの習慣は1509年に、フランスの東部、ドイツと国境を接するアルザスのセレスタで始まったそうです。
アルザス地方は、歴史の波に翻弄されたところで、1509年頃は、ドイツ神聖ローマ帝国の支配下時代であったと思います。
その後、戦争の度にフランスの支配下へ、またドイツへと行ったり来たり忙しく、現在はフランスの領土となっています。
しかし、アルザスの住民の大部分はドイツ系のアルザス人で、人口130万人の住民がドイツ語に近い方言であるアルザス語を言語としており、アルザスはドイツ文化において重要な役割を果たしてきたところです。
この作品は、豊かな自然環境に恵まれたアルザスの春からクリスマスまでの様子を、信仰あつく愛に溢れるエマおばあさんを主人公に、神様が愛の奇跡をお示しくださるファンタジックなお話です。
慎ましやかなエマおばあさんの日常からアルザスの魅力が伝わってきます。
そして、少しずつ近づくクリスマスに向かい、エマおばあさんは準備を始めます。
しかし、この年は冷夏のせいで、残念ながらツリーに飾る「命」を表すりんごもありません。
それどころか、皆が食べるリンゴすら事欠く様子でした。
そこで、エマおばあさんは、卵の殻にこうのとりとエンゼルの絵を描いてツリーに吊しました。
この飾り卵やリンゴの絵を公園のモミの木にも飾りまわるエマおばあさん。
そして、クリスマス・イブの夜、・・・。
エマおばあさんのように、「みんなの為に・・・」とお祈りする事を忘れぬ人になりたいと思いました。