人の命を助けることを生業としているバルサが、橋から落ちた皇子を
偶然助けたことから始まった、奇妙な運命のお話。
あることが理由で、実父である帝から命を狙われることになった皇子。
その用心棒として雇われたバルサは、皇子と共に命を守るための
逃亡生活を送ることになります。
なぜ皇子は実父に命を狙われることとなったのか?
皇子の中に宿ったものとは?
バルサの幼なじみのタンダ、呪術師のトロガイの存在も欠かせません。
バルサと旅を続けるうちに、「皇子」という殻を破り、1人の人間として
成長していくチャグム(皇子の本名)の姿が心理的描写と共に力強く
描かれており、精神的に成長していく様子が上手く表現されていると思います。
チャグムの中に宿ったものが生まれてはならぬと、ラルンガが襲ってくるのですが、
後半数十ページは、あまりにもめまぐるしいストーリー展開に目が離せなくなり、
一気に読んでしまいました。描写が細かく書かれていますので、すごくリアルに、
楽しく読み切ることが出来ました。
個人的に、かなりオススメなシリーズです。