内田麟太郎さんの作品の中で、一番良かったです。
えんま様の所に送られてきた罪人のおばあちゃんは、えんま様が心の中で密かに思い描いていたお母さんにそっくりな女性でした。
そこで、えんま様として、なんとかして地獄に堕ちないよう話を持っていことするのに、当の本人はあんな悪さもしてやったこんな悪さもしてきたと答えるので、えんま様はほとほと困ってしまうのです。
おばあちゃんが悪いことをしてきたというたびに、えんま様には、地獄の池で悲鳴をあげるおばあちゃん、のこぎりで今にも切られそうなおばあちゃんの姿が浮かんで、涙するのです。
その心情をイラストの山本孝さんが、ものすごく的確に表現してくださっていて、読み手にはえんま様の痛い気持ちがすごく伝わってきます。
最後は地獄の鬼達も、えんま様の気持ちを汲み取って、とってもハッピーな終わり方になるんです。ぜひ、読んでみてください!損はしない絵本です。