13歳で家出をして老人ホームで住み込みで働くことになった奏。
ホームのオーナー姉妹をはじめ、そこで暮らすお年寄りという言葉が似合わないパワフルな女性たち。
その人たちと接していくうちに、奏は自分のなかの見たくなくて仕舞い込んでいた感情が徐々に開放されていきます。
奏は大人の期待通りに、いつもいい子でいよう、としてきました。
心のバランスが崩れていって、髪が真っ白くなっても、平気なふりをしてがんばっていました。
でも、心の奥にはどろどろと汚いものがながれている、そんな自分が許せなかったので、家出をします。
老人ホームで暮らす「プロの乙女」や家族の悩みを抱えながらも、明るく過ごしているホーム内のクラブのママや、そんな人たちと触れ合いながら、これから自分はもっと色んなことを知って、色んなことを覚えていくんだと前向きになっていきます。
後半はミステリーっぽくもなって、最後まで一気に読めました。
児童書ではないのですが、思春期でもやもやしている中高生におすすめです。