感想を書こうと思って、「はなびや」さんの感想を読みました!
すごいです!この作品をお子さんに読み聞かせたんですね〜。
はなびやさんのお子さんには、この物語が1つの宝物になっていると思います。
私も「はなびや」さんと同じく、子どもの頃チラッとテレビアニメで見ただけだったので、小人にされた男の子がガチョウと一緒に旅をする。くらいしか覚えていませんでした。
今回、たまたま邦訳者の菱木晃子さんの講演を聞く機会があり、とても興味を覚えたので改めて読んでみました。
上巻だけで515ページあります。
正直本の苦手な子にはこの厚さを見ただけで「うげっ」とか言われそうだな〜と、思いました。
でも、とても面白い作品でした。
内容的には小学校の中学年くらいから十分読めるし楽しめるものだと思いますが、今どきのスマホやゲーム漬けになっている小学生が、この厚さに挑戦するかといえば……う〜ん?という感じはしなくもないです。
作者のセルマ・ラーゲルレーヴは、元々大人向けの作品を書いていたそうですが、元教師ということで白羽の矢が当たり、スウェーデンの子どもたちが楽しみながら国のことを学べる作品の依頼を受け、この物語が出来上がったということです。
(邦訳者の菱木さんのお話から聞いてはいましたが)
前半の上巻を読んでいて、なにがドキドキしたかというと、
ニルスはのスウェーデンの一番北のラップランド地方というガンたちの故郷をめざして旅をして、またニルスが住んでいたスウェーデンで最も南にあるスコーネ地方に戻ってくるお話なのですが、
上巻の515ページ目をもって、首都のあるスコットランド(スウェーデンを半分にしてもやや南になる)よりももっと南の地域までしか移動していないんです〜。
こんな調子でニルスは戻ってこられるの!?(ね?ドキドキですよね?)
でも、逆に言えば、子どもたちに分かり易くスウェーデンを紹介するテキストのような作品のこの物語で、前半でここまでしか移動できないということは、
スウェーデンは魅力ある場所、知っておいてほしい産業や歴史的な場所などがたくさんあるということです。
正直日本とは離れすぎている国なので、知らないことや場所がたくさんありました。
こんなに見どころのある国なんだ〜と、裏表紙の地図を参照しながらニルスの旅の経路を何度もなぞりながら読み進めました。
普通の子どもよりももっと小さな小人の姿になったニルスの目線で、
とても丁寧であるのに分かり易くスウェーデンを紹介してくれているので、一度読み始めてしまえば、読み手には物語が流れるように伝わってくること間違いなし!
個人的には、近いうちに上手くまとめて小学校の高学年くらいにブックトークで紹介してみたいと思っています。