「自ら命を絶つと、永久にその場所で彷徨い続けるんだって」
こどもの頃、姉からそんな話を聞きました。
経緯は思い出せないのに、そのひと言は深く胸に刻まれ、大人になった今も、どんなに辛いことがあっても、絶対に命を粗末にしてはいけないという思いが続いています。
だから娘にも、同じように言って聞かせています。
そして、この本。
悪事をはたらいた者、命を粗末にした者の行く末・・・。
いつも私が言っていることが描かれていました。
娘は、「やっぱりほんとうなんだ」と感じたようです。
確かに過激な絵も多くあります。
だからこそ深く印象に残るだろうと思って、読んで聞かせました。
この話は、たったひとつの善行のおかげで、地獄の入口からこの世に戻ってこられた五平さんが、地獄の様子を語るという構成になっています。五平さんは言います。「地獄には行きたくない」と。
そして、ひと際大きく赤い字で、
“子どもたちよ、いのちをそまつにするなよ!”と書かれています。
自分の命も、他のすべての命も。
心のどこかに刻んでおいて欲しいお話です。