物語は西アフリカのナイジェリアにあるパン屋さんの一日です。
そこには何も不思議なことが起こらないし感動的なこともありません。
それなのに、何故こんなに「豊かさ」を感じるのでしょう。
美大で油絵を学んだ作者は、数回のアフリカ生活を経験し
絵本創作を始めました。
実際に生活をした人だからこそ表現できるものなのかもしれません。
小さなアバディ通りで生活する人々の様子がはみ出しそうな力強いタッチで描かれます。
実験的に、この絵本を読んでから息子と初めてパンを作りました。
そしてもう一度、読み直しました。
できあがったパンには物語がぎっしり詰まっていたし
二回目に読んだこの絵本は、
一回目よりも味わい深い一冊になっていました。