安野光雅さんの絵が大好きで、安野さんの絵のガリバー旅行記なんて読んでみたい!と思ってとびつきました。
読み始めて、あれ? なんだか調子が違うぞ?とすぐに感じました。ガリバーが回顧して冒険を語る構成になっているのですが、とてもべらんめえ調で、あれ?あれ?あれ?と言う感じで.... 無知な私は文章を書いた井上ひさしさんの名前を見ても何もひらめかなかったのですが、“ひょっこりひょうたん島の井上ひさしさん”と知って、妙に納得してしまいました。
この2人のコラボ自体がなんとなくびっくりなのですが、元々は1969年に発刊された本のリバイバル版で、当の安野さん自身がすっかりこの本の存在すら忘れていたそうです。そして、絵を全て書き直したものがこの本だそうです。
ガリバーが小人の王国からみたら、食べすぎちゃったり、洋服を作るのにもすっからかんになってしまうから、小人の国からお引取り願うなんて、今までたくさんのガリバー旅行記を読みましたが、はじめてです! とても斬新な旅行記で、安野さんの絵と名前がガリバーでなければ、日本の小噺、昔話かと思っちゃうほどでした。一見の価値ありますよ〜!