新聞でも取り上げられた、話題作だそうです。
私は全然知らなかったけれど、「お子さんたちに読んであげて」と、夫がベテランの同僚から借りてきて、読んでくれました。
幼いネズミと年老いたゾウが、互いをいたわり、守りながら、大きな木の下で、暮らしていました。
いよいよ死期が近づいたことを悟ったゾウは、ある日、ネズミをゾウの国が見える入り口まで連れて行きます。
ゾウの国・・・年をとったり、病気が重くなったゾウたちが、死に場所として行かなければならないところ・・・の前は深い谷になっていて、細いつり橋を渡っていかなければなりません。
ところが、つり橋が途中でこわれていて・・・???
幼いネズミは、最初はゾウとの別れを受け入れられません。でも、月日が経ち、心が成長するにつれて、ゾウにとっての本当の幸せを考えられるようになり、とうとう自分からつり橋を直しに行きます。
祖母との思い出(実話)を元に、絵本にしたという作者。
幼い子に、死の話をするのはタブー視されていた背景があり、こういうテーマの絵本は少ないような気がします。(代表的なのが『わすれられないおくりもの』でしょうか?!)
でも、本当は、いつか別れがくることを、こんな風に伝えてあげられたらいいですね。
このネズミのように、心の準備ができればまだいいのですが、実際は突然の家族の死によって、何の心構えもないところに放り出されてしまう、多くの人たちがいることも、心の片隅にでも、忘れずにいたいものです。