迫害から自由の世界へと逃げようとしている黒人たち。
思いのこもった絵は闇と光を描き分けていて、本当に逃げて行こうとする黒人たちの願望をくっきりと描いています。
ストーリーはシンプル、無駄な言葉をそぎ落とした感じで、短文に思いがずっしりと込められています。
しかし、時代背景を知らない子どもたちにとって、ストーリーとしての膨らみは必要ではないかと思ったりしました。
要は子どもたちにこのお話を伝えるためには、説明が必要だということ。
聴く側に下地ができていたら、素晴らしい絵本だと思います。
あれこれと思い出したくないことが多すぎる黒人たちの奴隷社会は、きっとこのように口数少なく、自分たちの自由を切望しながら身構えた社会だったのですね。