表紙絵に惹かれて図書館で借りてきました。
字体や物語の内容を考えると小学校中学年くらいから高学年くらいのお子さん向けの作品だと思います。
主人公の女の子は、今オーストラリアに住んでいます。一緒に暮らしてしているのは家族ではなく、たまたま身柄を引き受けてくれたおばさん。
彼女はベトナムの内戦を逃れて船でオーストラリアに漂着した難民の一人でした。
両親やきょうだいと離れ離れになり、船でおじいちゃんを亡くした女の子(歳ははっきり描かれていませんが、たぶん10歳くらいだと思います)。その子が新しい土地で、新しい友達や周囲の理解ある大人たちに支えられ、前を向いて歩いて行こうとする姿を描いています。
日本でも今でこそ、色々な国・人種の方が当たり前に住む国になってきましたが、それでもほかの国々に比べるとやはり、単一民族国家なので、この物語の主人公『ナム・フォン』のような子が、万が一自分たちの住む町に来たとしても、町全体でこんな風に暖かく支えることはちょっと難しいかもしれないなと、考えてしまいました。
できることなら力にはなりたいですが…。
オーストラリアという大陸ならではの文化的考え方なども何となく伝わる作品なので、世界の情勢に興味のあるお子さんたちは、どよんでみた欲しい作品です。