まず最初にデカウサギに乗っかってチビウサギが寝床に行く様子が描かれます。
しかし会話は全てチビウサギが言った話に乗ってデカウサギがその上をいきます。すでにここで絵が大切なことを伝えていることがわかりますよね。
小さなウサギ(多分子供)の方がクリエイティブなんです。大人は子供の創造力に驚きますが、知識でその上を行っているだけなんですよね。
さてここからは、2匹のウサギの他に木や草が大きく描かれています。この木たちにも注目しましょう。
大きなウサギの大きな耳を小さなウサギが手で支えている絵が出てきます(表紙にもなってますよね)。
大きなウサギの後ろに描かれている木と柵が合わさった形と大きなウサギの格好、それから、小さなウサギの後ろにある草の形とチビウサギの格好を比較してみてください。すごく似ていますよね。
これは、作者が意図的にやっているはずなんです。もう一つわかりやすい例を挙げますと、だいぶ先の方ですが、 デカウサギがチビウサギの腕をつかんで振り上げる場面があります。その様子と、その背景に描かれている大きな木の形はほぼ同じ形をしています。
他にも小さなウサギは草の上を飛び回りますが、大きなウサギは耳が木に届きます。このように小さなウサギ=草 大きなウサギは=木 という表現になっているのです。
ただ読み聞かせをしているだけではこのようなことは見えてきません。ですので、絵にしっかり注目させながら読んであげることが必要になります。
このような絵のフカヨミをするかしないかで、こどもの発想力は違ってくるはずです。良い絵の絵本をぜひ選んで絵をしっかり見せながら読み聞かせをしてあげてください。
絵本の読み方について、機会があれば他の絵本のレビューの中でもご紹介していこうと思います。では。