エロール・ル・カインの絵本は、どれをとっても本当に見応えがありますね〜。
これはグリムの有名な作品なので、お話自体はいろいろな図書館のお話会で聞いたことがありました。
でも、自分の想像していた世界よりもこの絵本の世界はずっと荘厳で、美しかったです。
表紙をめくって最初の扉絵(と呼んでいいのでしょうか?)なんて、ホントすごいです。めちゃくちゃゴージャスなベッドに12人のお姫さまが眠っている図!!
お話にはこのページは直接関係ないのに、こんなにゴージャスな細かい絵を描いちゃうなんて、本当にエロール・ル・カインはすごいなぁと、思いました。
1ページ1ページの文字の枠になっている挿絵も一つ一つが細かくて、おしゃれですごかったです。
銀色に輝いている森も、金色に輝いているダイヤモンドの森も、
色合いがとても素敵でしたし(素敵しか書いてないかも…!)。
その中でも、階段下の不思議な世界に潜り込んだ兵士が、こっそり証拠として“宝石の杯”も頂戴しているシーンが、私は一番気に入っています。
手首だけが物陰からちらっと描かれているんですよ〜。
ホント、描き方がおしゃれで素敵です!
実はこのお話を初めて聞いた時には、何でこの兵士は一番上のお姫さまを苦さんにしたのかな〜と、かなり不思議に思ったのですが、
この絵本を読むとちっとも違和感がないのが不思議でした。
邦訳者の言葉のニュアンスが違うせいもあるのかもしれませんが……。
グリムらしい面白いお話です。
興味のある人はぜひ読んでみてください。
美しい中世ヨーロッパのドレスや舞踏会の風景に興味がある人にもお薦めです。