山の奥のそのまた奥に住んでいた鬼の子が、退屈だからと村に下りてきました。
村の一番大きい家に行ってみると、
「おには そとーっ!」
「ふくは うちーっ!」
と、大きな声が響きました。
びっくりした鬼の子は、縁の下に潜り込みました。
するとそこには先約がいて、真っ黒な奴がうずくまっていました。
その奴は、
「おれは、 ふくだ」
と言います。
この、ふくと名乗る奴は、節分のふくとは違うようです。
では、いったい誰でしょう?
お話が、淡々と進められていきます。
節分の日のお話ですが、節分そのものを書いているわけではないようです。
ちょっと変わった節分のお話が読みたい。
そう思ったときに、いかがでしょうか?