これは歴史に」基づいたアメリカ移民労働者たちの初の「ストライキ」事件を描いた児童書です。
主人公のローザはイタリア移民の12歳くらいの女の子(6年間小学校で習ってきたという記述があるので)と、
母親を亡くして、(今でいうDVの)父親と二人暮らしの貧困生活を送っているローザより2、3歳年上のジェイクという少年。
二人はどちらかというと「ストライキ」運動なんて望んでいtないのに、大人たちの渦に巻き込まれていきます。
移民労働者たちのストライキ運動が、それぞれの子どもたちの目線で語られているので、私はいつの間にか目の前どこっているような感覚になりました。
この本のタイトル、は実際に史実に残っているストライキのプラカードに使われていたスローガンで
『パンとバラがほしい』からつけたのだそうです。
このスローガン、すごいですよね〜。
『パンがほしい』でも、人は『パンだけでは生きていけない。
『(私たち=移民労働者は)バラもほしいんだ』と、唱ってるんです。なんだか、この当時の人たちの気持ちの崇高さを感じますよね。
後半はローザとジェイクがストライキの渦中から逃れ、少し離れた別のイタリア移民たちの町に疎開(という言葉が一番ぴったり)した時の話になっています。
この時二人を引き取って仮住まいさせてくれたイタリア移民の夫婦、ジェルバーティ夫妻はつらい過去があるものの、とてもいい人たちで、実の父親からももらったことのない厳しいけれど強い愛情をもらうことができて読み終わった時はほっとしました。
アメリカの200年くらい前の歴史の話なので、ピンと来ない点も多いかもしれませんが、歴史やアメリカ事態に興味のある人はぜひ一度手にとって読んでみてほしいです。
小学校の高学年くらいから、中学生。高校生のお子さんたちにお薦めします。