我が家では、同じお話の『かにむかし』が好きでよく読んでいますが、表紙の美味しそうに柿を食べるさるの表情に惹かれて、こちらの本も読んでみることにしました。
かにや柿の鮮やかなオレンジ色が印象的で、目で楽しむ絵本という感じがします。サルの笑ったり、怒ったり、ころころと変わる表情がまた楽しく、気の毒ながらもぺっちゃんこになって目を回した姿でも笑ってしまいました。
こどものかにたちが仇討ちに向かう途中、くりやはちやうすに合う場面があっさりとしていたのがちょっと物足りなかったですが、その分、さるを懲らしめる場面が細かくたっぷり描かれているので、さるのビックリして困っている姿をたくさん見ることができました。
5歳の次女は、みんながさるを待ち伏せしている場面がお気に入り。「ここにいるくりがお尻について、それで、次にかにのお風呂に行って・・・」とその後のさるの顛末を先にそのページで想像して、その後のページは答え合わせのようにして読んでいます。
8歳の長女は、「あれ?はぜぼうは?」と、『かにむかし』でうすを支えていた棒の不在を少し残念そうにしていました。娘にとっては、はぜぼうが重要な役割を持っていたようで・・・でもそんな子どもたちのこだわりを知れたのも、この絵本を読んだからこそ。昔話は語り手や挿絵によっていろいろな違いがあり、それぞれ違う味わいで読めるということが素敵なことなのだと感じました。これを機に「さるかに合戦」の違う絵本も読んでみようかと、娘たちと話しているところです。