6歳の長男に読みました。
私も初めて読んだのですが、結構長い話です。洞熊学校の洞熊先生のところを、赤い手の長い蜘蛛と、銀いろのなめくじと、顔を洗ったことのない狸が卒業した後、どうやって生きて行くかが描かれます。
三者とも上辺だけは取り繕いながら私欲を満たして過ごしますが、最後は自業自得の身の破滅に終わります。それを知った洞熊先生も、何の感慨もなさそうに大きなあくびをしておわりです。
何とも言えない倦怠感、いやらしさが取り巻いています。書かれた当時の世の中がこんなだったのでしょうか。
息子はなめくじが一番気に入らなかったようです。「フン、なめくじは人を騙して食べてばかりいたから、最後は自分がやられても当然だよ!」と言っていました。なめくじだけじゃないんですがね。とは言え、かなり長いし、言葉も難しいのに、ちゃんと理解して感じるものがあるのだな、と息子の成長を感じました。
強烈な絵も印象深いです。何年も後にまた読んだとしても記憶によみがえってきそうです。