タイトルを見て、何だろう?
川に住む生物の冒険なのかな?って、思ったら、まさしく「川」自身の冒険でした。
改めて考えてみれば、“川の発生”なんて思いも及びいません。
川は、ただそこを流れるもの、という捉え方をしてしまっていました。
いつどうやって生まれたのかなんて、考えることなく過ごしていましたね。
この作品は、川を主人公にお話が淀みなく流れて行きます。
高い山のてっぺんで雨が降り、地面に落ちた“雨粒”は、“小さな流れ”になり、“小川”になり、“川”になり海を目指します。
いよいよ、海へ川がたどり着いた場面での港の汚れている描写に、少し川に申し訳ないような、恥ずかしいような気持ちになりました。
ローズご夫妻の作品だそうですが、ジェラルドさんの絵が独特な筆致で自然の力強さを伝えてくれます。
侮るまい、自然の力、と改めて感じ入りました。
小学校低〜中学年頃までのお子さんにお薦めします。