『人の命が、親から子へ、そのまた孫へと永遠に続いていく』という命に関するお話は読んだことがありましたが、この絵本を読んで、自然も同じなんだなぁとしみじみ考えさせられました。
家族旅行で高原にやってきたリネは、夜中に目を覚まし、一人のおばあさんと出会います。
彼女の名前はねっこばあ、ヒノキのようせいでした。
リネはねっこばあから、孫のひのきむすめのお祝いに招待されます。
それはひのきむすめが一人前になったお祝い、そしてねっこばあとの別れの時でもありました。
ひのきむすめから、森の仕組みを教えてもらったリネ。
自分が消えてしまっても、他の木に命を引き継いでいける――ねっこばあの優しい笑顔が印象的でした。
あとがきを読んで、自然の森では木がどうやって大きく育っていくのか私も初めて知りました。
「切り株更新」というそうですが、年を取って倒れた木は切り株になり苔むして、またその上に種が落ちて新しい芽をはぐくんでいくんですね。
ヒノキは特殊で、その切り株の上にはヒノキ以外育たないそうです。
まさに命のバトンリレー。
深い森を維持するために、自然のこんなドラマが繰り広げられているとは思いもしませんでした。
読んだ後に、少し切なさが残る神秘的なお話でした。