サムはママがお昼ご飯だと呼んでもなかなか来ません。台所までおもちゃやくつなどでぎょうれつを作る遊びを始めたからです。
台所にいるママは「サム、はやくいらっしゃい」「てをあらっていらっしゃい」「スープがさめるわよ」と何度も呼びかけます。
ついに台所に到着、ぎょうれつをママに自慢します。それから、お昼ご飯を食べました。
皆さんの感想だとこのママはとても穏やかそうなママに感じるのですが、私の感想は違いました。多分、この呼びかけの最中はイライラしているに違いないと思うのです。実際に読み聞かせのときは声のトーンがどんどんイライラしてきちゃいます。本でも、最後は三つ数えるわよと声が大きくなっています。このあたり、幾つか読んできた理想のママとはちょっと違って、私のような落第ママはちょっと気持ちが楽になったのですが。
このママの本当にすごいところは、この後にあります。おそらくイライラして待っているのですが、サムが「ぎょうれつをつくっていたんだ」というと、「すごいわね」と言います。この心の転換のすばやさと対応の的確さはものすごいと思います。イライラ待っていて、いきなりこのセリフはなかなかでてきません。
だから、このママは等身大の理想的なママだと思うのです。
ぎょうれつをつくるのが好きな娘はこのお話にものすごく共感するようで、何度も読まされます。私も上記の理由でちょっとしたストレス解消になっちゃったりするのです。