2013年コルデコット賞大賞受賞作だそうです。
第1作の「どこいったん」も驚く結末ですが、こちらもビックリ!でした。
かわいい帽子をかぶった小ぶりの魚が、自分の帽子じゃないことを告白しながら、帽子の持ち主だった大魚について話しています。
大魚がきっとまだ寝てる・起きたとしても気づかないだろう・気づいたとしても自分を怪しまないだろう・怪しんだとしても・・・・・・。
まあ、延々と自分に都合のいいように大魚の様子を想像し、海藻のジャングルへと逃げ込む小ぶりの魚。
この魚の思いとは裏腹に、大魚が起きて気づいて、小魚を怪しんで、追跡を始める様子に、ヒヤヒヤします。
大魚の目の動きが、物語の展開を語っています。
さらに小憎らしいことに、小ぶりの魚は、自分がこの帽子の新しい所有者になる正当制を、こじつけもいいところで、弁明しています。
ゆったりした小ぶりの魚の言い回しと、大きい体ながらスピーディな大魚の動きが対照的で愉快です。
小さくてかわいいルックスながら加害者の小ぶりの魚と、大きくて目つきの悪そうな被害者の大魚のキャラクターも愉快です。
なにより、長谷川先生の関西弁の翻訳が本当に生きている作品だと思います。
お話の最後は、もちろん読んでのお楽しみということで・・・・・・。