子どもの病院の待合室にあったので、読んでみました。つい最近、水沢謙一&梶山俊夫の『三まいのおふだ』を読んだばかりだったので、子ども達も「『三まいのおふだ』だあ」と喜んで聞いていました。
私は、絵は梶山版の方が趣があって好きですが、文章は読みやすく柔らかいので、松谷版の方が好きですね。
優しいおばさんだと思っていたのが、実は山姥だと教えてくれたのが、雨だれで、
こぞっこ あぶねや てんてんてん
と歌うところや、山姥がこぞうさんを追いかけてきて、
なんだかわ こったらかわ
なんだやま こったらやま
と言いながら障害物を乗り越えていくところなど、とてもセリフにリズムがあって、声に出して読むととても気持ちがいいのです。
最後の化け比べのところでも、大きなものに化ける時は、
たかづく たかづく たかづくよ
小さいものに化ける時は、
ひくづく ひくづく ひくづくよ
と言うところも、どんな風になるんだろうというワクワク感を誘って面白いですね。
子ども達は、内容の面白さが一番大事で、特にどちらの方が好きというのではなく、『三まいのおふだ』というお話自体を楽しんでいましたけれど。