子どもの頃から大好きな「からすのパンやさん」のつづきのおはなし。
このお話は、他の作品と違って、きゅうべえさんのてんぷらやさんが火事になってしまい、ケガや行方不明の家族がいる…というところから始まります。
その状況を表す言葉がストレートで、大人としてはちょっとドキっとしてしまうところもあったりしますが、
子どもに「ありのまま」の世界を伝えようとする作者のかこさんの作風なのでしょう。
落ち込むきゅうべえさんを、レモンさんとおもちくんが励まして、てんぷらやさんの再建への道が始まります。
てんぷらやフライの作り方はこれまた詳しい「ほんもの」のレシピ!
子どもは興味津々です。
考えてみたら、子どもは揚げ物大好きだけど、まず作るのを手伝わせません。
危ないから近寄らないで!って言っちゃいます。
でも、だからこそ子どもは興味津々なんだと思います。
おもしろそう、いつか自分も作ってみたい!って。
そんな子どもの好奇心を満たしてくれるリアルさでした。
今度、気をつけつつ一緒に作ってみようかな。
最後にはきゅうべえさんの奥さんも無事元気で見つかり、レモンさんとイワくんが結婚するというすてきなハッピーエンド。
お店の焼失という どん底から始まったお話だけに、嬉しさもひとしおです!
本当によかったね。
そして、パン屋さんの子どもたち、大きくなったね。
私自身も「カラスのパンやさん」の頃は子どもで、今は親になった。
長い時を経て、カラスの子どもたちと互いに大人になって再会できた、そんな嬉しさを味わえました。
作者のかこさとしさんに、感謝です。