作者のコメントが最高です。
「6年前、妻が故障しました。
ぼくは自分の仕事よりも彼女の療養につとめました。
そんなぼくらを励ましてくれたのは、ふたたびグランドに立つことを夢見ながら我慢強くリハビリする野球選手たちの姿でした。
<省略>
長いブランクを経て、ぼくは復帰第一作は野球を描くことから陽気に始めようと決めました。」
こんな背景から生まれてきている作品ですから、素晴らしいに決まっています。
海外の作品の但し書を読むと、こういった背景から生まれた作品が多いように思うのですが、日本の作品でも増えればと思っています。
さて、物語は、野球をテーマにしたもの。
題も秀逸ですが、ストーリーも、現実味のある野球少年のお話です。
さらに、諦めないことの大切さも盛り込んでいて、読み応えのある作品に仕上がっています。
作者が言うように、野球を描いた絵本が少ないというのは、確かにその通りであって、我家でも次男が野球漬けになっているので、是非プレゼントしたいと思える作品でした。