不思議な絵本です。1ページ1ぺージめくると映像が浮かんできます。
そこから絵が動き出すような不思議な感覚でした。
ホームランってプロ野球などテレビでみると、いとも簡単に
繰り出しますよね。もちろん、野球少年達も大事な場面のとき、
ホームラン!!!という華々しい形でダイアモンドを走りたい。
主人公の出口塁もそのような大きな夢を持っている野球少年です。
でもそう簡単に打てるわけではないのがホームランです。見返しの
野球すごろくのようにそう簡単に打てないのがホームラン。
塁が試合に負けたその日の夜、その試合を見ていた野球部出身の
仙ちゃんに出会います。塁のおつかいで偶然出会った二人ですが、
仙ちゃんはその試合をみて思うところがあったのでしょう。話しかけ、塁君に
わかるように静かに語ります。
「俺もホームラン打ったことないよ」
という意外な言葉と仙ちゃんのスタートしたばかりの新しい夢について。
なぜ仙ちゃんは塁君に伝えたかったのでしょうか、それはある理由が
あるからです。
野球を通して、夢にむかってというスタートライン、目標をみつけることは
いつでもいいんだよ。そしてその目標にむかって努力することが大切だと
いうことがわかる絵本です。
わが家のこどもたちは野球はしたことがないけど、夢をもったらそれにむけて
努力することが大切だということがわかったようでした。
野球少年達にはエールを送る絵本でもあります。
最後に塁君がみた仙ちゃんがでてくる夢のページ。
ゆっくりスローモーションの映像が浮かんでくるような、印象的な
ラストのページでした。