「白雪姫」というと某アメリカアニメを思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれません。極彩色のミュージカルのイメージです。
原作はあまりにも有名なドイツ グリム兄弟の童話です。
海外留学経験のある人たちによく聞くお話ですがドイツ人は自国の文化を「とても暗い」と認識しているそうです。
この童話も、大変美しいですが冒頭から「死」のイメージが漂っています。
白雪姫はその誕生の前に、母親が流した血によって「美しさ」を願われるのです。
雪の白、黒檀の黒、血の赤。
この色のコントラストはとても印象的できれいです。
実はわたし、鏡のシーンよりも7人のこびとたちよりもこの冒頭が好きです。母親の愛情がはっきりと伝わってきます。
全体的に原作にとても忠実だと思います。
そして、いわさきちひろさんの挿絵は「ドイツ童話」の持つ「影」の部分まで表現されていると思います。
少し不安定で繊細な線描、淡い色遣い、はかなげなお姫様。
アメリカナイズされていない、美しい「しらゆきひめ」が楽しめます。
おすすめです。