一番強いライオンジオジオは、つまらなかった。他の動物は恐ろしがって、近寄ってこないから。ある日、はいいろのとりがジオジオに「つまらなそうですね」と声をかける。そして、卵を食べられてしまって、自分もつまらないのだと。ジオジオは自分のかんむりをはいいろのとりの巣として提供する。
この物語では、白髪が増えたとか、目が見えなくなったなど、ジオジオが年をとっていることが何度か書かれています。だから、もしかしたら、若いころは本当に怖かったのかもしれなせん。けれど、晩年になって、自分の周りに何もいないことを寂しく感じます。
その寂しさがジオジオの優しさのもとになっています。だから、はいいろのとりはジオジオに親切にされているけれど、本当はジオジオのほうが、はいいろのとりに慰められています。
イラストも地味目で、文章も静かに進行するのですが、しみじみと深く味わえる物語です。
子供に年老いていくことの寂しさとやさしさを伝えられる絵本です。
不思議とこの静かなお話しが娘は好きです。何度も読まされます。