女の子にとって、おひな様は宝物なのでしょう。
戦災を避けるために田舎に預けられたおひな様。
戦争が終わって、空腹を訴える女の子に与えられた白いご飯は、おひな様を売ったお金で買ったものでした。
失ったおひな様の代わりに紙でおひな様を折り続けるお母さん。
非難する女の子を諭すのではなく、ただ女の子の言葉を受け止めるお母さん。
おかあさんにとっても、おひな様を売るのがつらかったのだとひしひしと伝わってきました。
その女の子が母親になって、紙びなを子どものために折っています。
戦争の悲しみもさることながら、お母さんのぬくもりが紙びなに込められているのです。
言葉ではなく伝わる思い。
おひな様に込められている母親の心が伝わってきます。