字の書けなかったひいおじちゃんの「日記」は、一つ一つマッチ箱に納められていました。
食べるものが無くてなめ続けたオリーブの種、アメリカに出稼ぎに行った父親の写真、…。
イタリアの貧しい家庭に生まれたひいおじちゃんは、家族と共に父親のいるアメリカに移住します。
その航海の出来事、父親との再会、子どもの自分も働いたこと、差別を受けいじめられて折れた歯、…。
マッチ箱に納められた思い出の品々が、鮮明に昔を語ってくれました。
思い出の光景は、セピア色の写真のように、それでいて細密画のように描かれています。
マッチ箱とひ孫とひいおじちゃんは、初期のカラー映画のように味わい深く描かれていいます。
マッチ箱日記は、ひいおじちゃんが文字を覚えるまで続いていました。
素晴らしいお話、素晴らしい絵、素晴らしい絵本だと感動を覚えました。