本屋の店員が選ぶ、いちばん売りたい本 「本屋大賞」 2位に選ばれた作品。
狐狸妖怪から自然の精気まで、なんでも交流記。
「となりのトトロ」+「吾輩は猫である」。滋賀県発の。
児童用ではありませんね。高校生ぐらいからなら、おもしろいと言っていただけるかと思います。
亡き親友が忘却の川を渡ってきてもさほど驚かない、その飄々とした態度がすごく味を醸しています。まず読者はここで、「もっと驚けよ」と突っ込みを入れて、気がつけばいつの間にか、世界にとらわれてしまうのです。
話は繋がっているのだけど、ひとつの出来事ごとに章が分かたれていて、短編集のようで読みやすくもあり、さらさらと最後までいく。そしてもっと読みたくなる。
ちなみに、ぜんぶ日本のどこかで本当に語り継がれてきた伝承がもとになっているんですって。
続きが「冬中夏草」というタイトルで出ています。