アンネ・フランクの一番の仲良しだったハンナ・ピック=ホスラーが語るアンネの真実です。
私が読んでいたら息子が覗きこんで一部読みだしたので、「ほら、アンネが収容所にいた時に隣の収容所から食べ物を投げ入れてくれた子がいたでしょ。その子の話」と説明すると
「ああ、靴下と一緒に投げてくれるんだけど、取られちゃうんだよね」とアンネの伝記を何冊かすでに読んでいるだけあってすぐにわかったようです。
隠れ家で過ごしたアンネはハンネは助からないであろうことを日記の中で書いていますが、実際に生き残ったのはハンネの方でした。
生死を分けたものはそう簡単には断言できるものでなく、生死は偶然の連鎖の上に成り立っているのかもしれないと思いました。それは二人とも生きのびるために必死に生きていたからです。
ハンネに降りかかる運命のむごさに心がキリキリと痛み、それでもどうなるのかは気になってどんどんと読み進みました。
何よりも心打たれるのは、自分も食べるものに不自由しながらも、自分よりも困っている人に食べ物を分け与える人の優しさでした。
月並みですが、このような悲惨な戦争はもういらないと思うのです。