映画「ある精肉店のはなし」でも紹介される、大阪貝塚市にある
精肉店の屠畜場の写真絵本。
牛の解体される様子が、白黒の写真とともに紹介されます。
私たちがふだん、スーパーで並んだお肉を見ても、意識しない「いのち」
をいただくということを教えてくれる一冊です。
巻末で語られることは、主に大人向けのものとなりますが、
「いのちをいただくという一瞬をはさんで、牛は生きものから食べものになるんです」という言葉には、私たちがふだん目にすることがなくなった瞬間を示しています。
生きものから食べものに変わる。その瞬間があり、それが行われる場所があり、
さまざまな過程を経て、私たちのもとに食べものが届く。
この本を読むと、そうしたことを知ることができます。
そこから、考えるべき教訓などは、さまざまで、
子どもにも大人にも難しく、十分な時間と深い思慮が必要だと思います。
でも、まずは「いのちをいただく」ということに対する想像力が得られると思います。
そうして、日常のものの見方が少し変わり、食べものに対して
本当に「いただきます」と思えるようになれば、いいなと思います。