「お月様が出るまでに、帰ってらっしゃい」とお母さんに言われて遊びに行ったプータンでしたが、気が付くと、お月様は昇っていました。「お月様、こんなに早く出るなんて、ひどい!」プータンは、自分が悪いのを、お月様のせいにしています。
ところが、家に向かって歩いていると、りんごが転がってきたり、魚が飛んできたり、ハンバーグが落ちてきたり、ラーメンが出てきたり。プータンが、その都度食べてしまうと、「ぼくのだぞー」と言って、ぞうやねこやだんちょうさんが追いかけて来ます。
プータンが、「ぼくのせいじゃ、ないもーん」と言い続けて逃げていると、とうとう、お星様がプータンのおなかの中に飛び込んできてしまいました。
真っ暗な空の中、おなかにお星様をかかえたプータン、ひとりっきりです。
寂しくて、怖くて。
プータンは、思わず、「ごめんなさーい」と叫びました。
すると、すべてが元通りに戻り、お月様がにっこり、空で微笑んでいます。
「プータン、やっと、ごめんなさいが言えたね。」って。
素直に謝るのが、ちょっと苦手な子供に、さりげなく、「ごめんなさい」の大切さを教えてくれているようでした。
子供達には、プータンが、どんどん、どんどん食べて、太っていく様子が、ちょっと、怖かったようです。