「こどものとも」598号で、奥付のページに『優雅で感傷的な日本野球』(高橋源一郎著)に発想のもとを得てできあがりました、と書いてあります。
地平線の見える大平原を舞台に、ライオンとラクダの食うか食われるかの物語が展開されます。ライオンもラクダも必死で、緊迫感が伝わってきます。
追いかけても追いかけても、逃げても逃げても、両者の距離は変わりません。一番基本的な「生きるために獲物を追う」「生きるために、捕まえようとする者から逃げる」という部分の戦いなので、どちらもギリギリの真剣勝負なのです。
色使いもダイナミックです。赤いライオン、緑のラクダにも全く違和感はなく、かえって迫力あって、訴えかけてくるもののある作品です。