くまのベルナルさんには、友だちがいません。
いっしょにくらす家族もなく、いつもひとりぼっちでしたが、ベルナルさんは平気でした。ある日、お気に入りの帽子をかぶって散歩に出かけ、お昼寝をしている間に、キツツキが帽子に穴をあけ、住み始めたのです。そのうちに、穴はどんどん増え、ベルナルさんの帽子もどんどん長くなり…
そのうち、また、大きな変化が訪れます。
ひとりぼっちが平気だったはずなのに、鳥の様子を何かと気に掛けるベルナルさん、そして、冬眠に入って…
ベルナルさんの表情、細かく描かれた背景、心の変化に、揺さぶられました。心の中の氷を、そっと溶かしてくれる世界に浸ることができました。