やわらかく優しい色使いとタッチで描くベルナルさんの不思議なぼうしの物語。
ぼうしに集まってくる鳥たちに、ベルナルさんはいつしか親しみを持つようになり、やがて鳥たちが巣立つときには、強がりながらも寂しさを思います。
冬を越え、再び鳥たちと再会すると、ぼうしは木になって鳥たちの住処となります。
鳥たちとベルナルさんのこの物語は、とても豊かで静かな時間を与えてくれます。ふだん、私たちが耳を澄まして鳥の声を聴く時間はどんなときでしょうか。
それは、ゆっくりと流れる時間に身を任せながら、静かにただ佇んでいる、そんな優しい時間だと思います。
物語から伝わってくる優しさは、その絵とともに、そうした時間のことを思い起こせてくれます。