漢字をあえて象形文字としていろいろとらえて描いている作品です。
たぶん、「書道」をやっていれば、いろいろな字を見る機会はあるでしょうが、一般的な人にはなかなか珍しい字が登場します。
この作品に挙げられているのは、すべて『雨』を表現した字なのですが、実際にあった記録や書体を紹介しながらなので、科学的に歴史的にも面白いです。
例えば、最初に登場するのは、中国の殷の時代に骨占いに使われていたとされる甲骨文の『雨』の字。
ちょっと、ホントにこんな字があったの?と、面白かったのは、
日本の江戸時代良寛さんが描いた楷書の速書きの行書体で、
イメージとしては子だぬきが巣穴で雨上がりを待っている。ところだそうです。どの辺が子だぬになのだろぅ?天才的な感性を持っている方のやることはすごいなぁと思います。
巻末には作者から「字」についての簡単な解説も載っているので、興味のある人は最後まで楽しめます。