反響の多い理由がわかりました。
疎まれる存在の“うんち”に命とことばを与え、彼自身が何の役にも立たない自身の存在を悲しみ、そしてたんぽぽとの出会いで、自身も大きな役割を担っていることに気づいたシーンが感動的です。
たんぽぽにしがみつくシーンは、心がふるえます。
自身の存在価値を見いだせない時の孤独は、子どもの目を通してもその悲しさが伝わるものなのでしょう。
人として生まれてきて、自分の存在が何かの役に立つことを喜べる人でありたいと思います。
また、他者も役に立つ尊い存在であると忘れない生き方をしたいと思います。
リアルな描写と、擬人化させた“うんち”や“つちくれ”、そしてたんぽぽの地下の中での、力(養分)となっている科学的かつ神秘的な描写と、一冊の中で、様々な手法が使われている珍しい作品でした。