南に渡って行く渡り鳥たちに触発されて、自分も南の国へ行ってみたくなったくまのくんちゃん。お父さんとお母さんに許可を得て丘に登ります。丘の上に到着すると、お母さんにさようならのキスをするのを忘れたことを思い出し、キスをしに家に戻ります。再び、丘に登ると遠くの空で点のように小さく見える渡り鳥たちを見て、双眼鏡が必要なことを思い出します。再び家に戻り、おかあさんにキスをして、双眼鏡を左の肩にかけて丘に登ります。双眼鏡で川を見たことから、つりざおが必要と思ってまたまた家に戻り……。
大旅行って、どんなことするのかな……と思っていたら、くんちゃんらしい、可愛らしい大旅行でした。丘と家の間を何度も往復して、最後は疲れ果てて、コテン! 何気ない発想と行動がとても子どもらしくて、静かに感動してしまうのがくんちゃんのお話。9歳の息子も、クスクス笑いながら楽しんでくれました。いたずら好きな彼のこと、くんちゃんの気持ちがとってもよくわかるのでしょう。くんちゃんのお話を楽しむ彼の姿にわたしもホッとしてしまいました。くんちゃんの魅力がわかる限り、まだまだママと一緒だよと、わけのわからない連帯感を抱いています。