ネズミは小さいので、いつでも他の動物に「おれのけらいになれ」と言われてしまいます。でも、もっともっと強いモノがやってきた時に、勇敢に(本当は仕方なく)戦ったのはネズミだったのです、というお話。
前半、「俺の方つよいのだ」と威張っている動物たちが、怪物と戦いたくないために、後半には「いえいえ、自分なんて弱い弱い。」と言い出すところなど、子ども達は「弱肉強食だ〜」と言いながらも面白がっていました。
いますよね、普段は威張っているのに、いざというときに決して責任とろうとしない人。私も威張っていた動物たちに腹がたつというより、ついつい苦笑してしまいました。
現実では逃げていた人というのは、難が去った後に平然と出てきて、なんだかんだとまた威張りだすものですが、物語はよくしたもので、結局怪物に立ち向かったネズミには、全員ひれ伏すのです。
杉浦範茂さんの絵に似た挿絵が、動物たちの特徴をよく捉えていて楽しいですし、胸がスカッとする展開で、楽しく読むことができるお話です。