森絵都さんの「にんきものの本」の第3作目です。今度の主人公は、1作目の主人公のけいたくんに唯一バレンタインデーのチョコを渡した かなえちゃん。けいたくんも2作目の主人公の こまつくんも脇役として登場します。
平凡な男の子けいたくんのことが大好きなかなえちゃんは、いっぱいけいたくんの良いところを知っています。他の女の子はみんなこまつくんが好きでも、自分は堂々とけいたくんのことを好きでいたのですが、クラス男子のアイドルきさらぎさんがけいたくんに近づいたのを見てしまってから、思い悩む日々が始まります。
「私だってかわいいところがたくさんある」「私だって傷つきやすい心を持っている」と思いながら、モテる女の子の真似なんかついしてしまう微妙な乙女心が描かれています。
女の子が主人公なので、前2作よりも実体験として理解できるところがあり、元少女としてはちょっと気恥ずかしい気もします。
好きな男の子になかなかアピールできない小学生の女の子にお薦めです。