この本は息子の生まれた時、ご近所の良く本を読む一家の奥様から誕生祝いに頂いた絵本です。何気ない本です。ところが、時折読むと、読む度に感銘を受けます。うーん、生きる事は大事だなと。子供は0歳から3歳頃まで読みました。子供がどう感じ取っていたかは分かりません。しかし何度も読みました。本をくださった一家はとにかく他人の私を、特に息子をかわいがってくださいました。大地主の為、家計は大変そうですが、いつも温かく私達を受け入れ、ささいなこの本を出産祝いにくださいました。その家庭は固定資産税納入の為、沢山の土地を失い、大きな屋敷のみ残されました。息子を特別かわいがったおじい様が亡くなり、元気で聡明なおばあ様も99歳で亡くなり、息子を毎日、散歩に連れ出したご主人も亡くなり、今、この絵本を選び、くださった奥様のみ、おひとりで大きなお屋敷で生活しています。私達は全国を転勤し、今、東京で暮らしています。息子は遠く岩手で嫁の家族と暮らしています。東京は今、私と娘の二人暮らしです。生きるって楽しい事も多いですが悲しい事も沢山あります。今、この本の意味をしみじみ感じます。つらいけど、良い本です。